「直弧文(ちょっこもん)」は、ubusunaの象徴的なパターンであり、最初のコレクション「IZA」にも使われている特別なデザインです。
この文様は、熊本など限られた古墳で見つかっている日本独自の古代文様。直線と弧線を組み合わせた幾何学的な形は、神具であった鏡の破片や、男女の交わりによる生命の誕生を表現しています。呪術的な意味が込められているとされ、今も多くの謎に包まれている文様です。
ubusunaが手掛ける「chokkomon」は、熊本・井寺古墳に描かれた直弧文を現代的にアレンジしたオリジナルデザイン。日本古来の自然崇拝のエッセンスはそのままに、古代文様が持つ力強さや生命力を、現代の装いに落とし込んでいます。古代のものを現代のデザインに再生させることで、土着性と日本の創造性への敬意を表現しています。
「直弧文」が注目されるようになったきっかけは、1900年のパリ万博。熊本の井寺古墳で発見された謎の幾何学模様が「直弧文」と名付けられ、万博で世界に紹介されました。
もともとは古墳の装飾として使われた呪術的なモチーフでしたが、その造形はアール・ヌーヴォーやアール・デコといった西洋の美術様式にも通じる「ジャポニズム」の一例と言えます。私たちは、この「直弧文」の幾何学的な美しさをデザインに活かすプロジェクトを展開しています。たとえば、布を直弧文のピースに分解して継ぎ直したコットンシャツ「chokkomon」シリーズや、カモフラージュ柄にアレンジした「kagami」などがその代表です。
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